シンガポール帯同中に働きたいと思ったら?【リモートワーク編】時間や場所にとらわれない“業務委託”という選択肢
- Miyako Beppu
- 10月13日
- 読了時間: 6分

帯同生活にも慣れ、子どもが学校や保育園に通いはじめると、「自分も何かを始めてみたい」と感じる方は多いのではないでしょうか。せっかく海外にいるのだから、この環境でしかできない経験を得たい――。そんな思いから、働き方を考え直す方も増えています。
LIFE TIPSでは「帯同期間を未来につながる自分らしい挑戦の期間へ」をテーマに、シンガポールでの暮らしやキャリアを充実させるヒントをお届けしています。
📘 シリーズ「シンガポール帯同中に働きたいと思ったら?」では、帯同期間中の“働き方の選択肢”をテーマに、現地就職やリモートワークなど、状況に応じた実践的な情報を紹介しています。
第一回【現地就職編】では、シンガポールでの就職事情や就労ビザの基本を人材紹介会社リーラコーエンの須長翔一さんに伺いました。
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今回は第二回【リモートワーク編】として、シンガポールに滞在しながら海外企業と働く場合の制度面、そしてリモートで働く選択肢を見つけるための具体的なヒントをご紹介します。
💡 シンガポールでリモートワークはできる?MOMの見解
シンガポールでは、帯同者が「リモートで働く」ことについて、人材省(MOM:Ministry of Manpower)の公式見解が明確に示されています。
If you are in Singapore and are working for or providing services to an overseas-based organisation or client, you do not need a work pass.(2025年10月時点 MOM公式FAQより)
つまり、シンガポール国内に拠点を持たない海外企業やクライアントと業務を行う場合、就労パス(Work Pass)は不要とされています。
一方で、勤務先がシンガポール国内に登記を持つ企業の場合は、原則としてEPなどの就労許可が必要です。
つまり、 “どこから働くか”ではなく、“誰のために働くか”が判断のポイントになります。
また、日本の企業に所属している方や休職中の方は、会社の就業規則によっては海外からのリモート勤務が認められない場合もあります。税金や社会保険の扱いも契約内容によって異なるため、必要に応じて所属企業や税務専門家に確認しておくと安心です。
※本記事は、2025年10月時点のMOM公式FAQをもとに構成しています。制度や運用は変更される可能性があります。最新情報はMOM公式サイトをご確認ください。
🌏 リモートワークという働き方が広がる背景

コロナ禍を経て、リモートワークは世界的に広がりを見せました。日本でも、エンジニアやデザイナーなどの専門職に加え、ライティング・営業サポート・バックオフィス・カスタマーサクセスなど、オンラインで完結できる職種が増えています。
また、家庭やライフステージに合わせて柔軟に働きたい人も増えており、時間や場所にとらわれない働き方を選ぶ人も多くなっています。
リモートワークは、生活リズムを大切にしながら自分のスキルや経験を活かしたい帯同者にとっても、現実的で続けやすい選択肢です。
🔍 自分に合ったリモートワークを見つけるには
ただ、「リモートで働こう!」と思っても、新卒時のように“求人に応募→面接→採用”という流れとは異なります。どのように仕事を探せばよいのか、最初の一歩で迷う方も多いかもしれません。
ここでは、関わり方の違いによって、代表的なプラットフォームを3つのタイプに分けて紹介します。
① 💻 単発・スキルベースの仕事を探す
短期間・少額から始められるルートです。
「まずは実績をつくりたい」「久しぶりに仕事をしてみたい」という方にもおすすめです。
② 🤝 中期・プロジェクト単位で関わる仕事を探す
数ヶ月単位で企業の案件に関わるスタイルです。
スタートアップでのプロジェクト参加から、大手企業の契約型ポジションまで幅広くあります。
③ 🧩 長期・チーム型のサポート業務・バックオフィス業務を探す
チームの一員として継続的に関わるスタイルです。
HELP YOU/Waris/Mamasan & Company/フジ子さん/メリービズ などは、在宅勤務を希望する子育て世代を中心に、事務・経理・広報などのバックオフィス業務を紹介しています。
研修やフォロー体制が整っているところが多く、リモートワークが初めて・ブランクがある方も安心してスタートできます。

「とはいえ、私には特別なスキルがない…」と感じる時は——
依頼を受けて業務を行う“業務委託”の仕事で大切なのは、資格や凄いスキルよりも 「相手が望む成果を再現できる力」 です。
たとえば──
営業アシスタントで会議や出張調整をしていた方 → オンライン秘書やスケジュール管理業務へ
総務・経理の経験がある方 → 請求書処理やバックオフィス支援へ
社内報やSNSの更新をしていた方 → ライティングやPR業務へ
どんな企業や個人も、より良いサービスを提供するために支える人を必要としています。過去の経験を整理し、同じ結果を他の場面でももたらせるように再現できれば、それは立派なスキルであり、仕事として価値のあるものです。
💼 帯同者にとっての「日本企業でのリモートワーク」の意味

「せっかくシンガポールにいるのに、日本の企業で働くのはもったいない」そんな声を耳にすることもあります。
たしかに、現地就職には現地ならではの学びや出会いがあります。一方で、フルタイム勤務は拘束時間が長く、家庭や子どもの予定に合わせにくいことも。また、自分の専門性を活かせる職種が限られている場合もあります。
リモート業務委託の場合は、1日数時間の柔軟な働き方ができ、キャリアの継続やスキルの積み上げにつながる業務を自分で選択しやすい。
さらに、帰国後や次の赴任地でも続けやすく、“帯同生活で得た経験を次につなげやすい働き方”でもあります。
🌿 おわりに
帯同期間は、これまで日本で当たり前に得ていた「所属感」や「承認の機会」が減り、自分の存在意義に迷うこともある時期です。でも、それは自然なことだと言えます。
せっかく立ち止まれるこの機会に、改めて「自分は何をしたいのか」を考え、その実現に向けて少しずつ行動してみる。そのための選択肢が多いほど、自分の希望に近い形を選びやすくなります。
LIFE TIPSでは、帯同者が「将来どんな自分でありたいか」を考え、帯同期間を未来につながる自分らしい挑戦の時間に変えていくためのヒントを発信しています。
📍次回は、実際にリモートワークを紹介している企業へのインタビューを通して、「どんな仕事ができるのか?」「どんなサポートがあるのか?」を詳しくお伝えします。どうぞお楽しみに!
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